こんにちは。きしめんです。
今回は自分の体験から得た反省と教訓の話をします。
小学生の頃、テストの点数はいつも90~100点ばかりでした。家で勉強していた記憶はなく、授業で先生の話をちゃんと聞いてノートを取っておけば、テストで困ることなんてほとんどありませんでした。
おかげで、「自分は何もしないでも勉強ができる」と盛大に勘違いしました。
中学に上がって数学でつまずくようになると、さすがに勉強しなければテストで良い点が取れないことに気づきました。けれども、やはり今までの生活の中にちょっとだけ勉強っぽいことを付け加えただけで平均点を超えることができました。
おかげで、「自分は何もしなくても、ある程度勉強ができる」と勘違いしました。
頑張らなくても大丈夫。だってわたしは、何もしなくてもある程度何でもできる。それに、何もせずにそこまでできるのだから、頑張ったら何だってできるはず。わたしはやればできる子なんだ。
そんな勘違いを抱えたまま、高校、大学へと進みました。受験や就活で大きな挫折を経験することもなく、新卒で就職を決めました。
これは、「自分はやればできる」と勘違いしたまま新入社員となったわたしの体験の話です。
わからないことをわからないと言えない
配属された部署は、営業サポート部。いわゆる事務仕事で、お客様から送られてくる注文や依頼を物流や工場への指示書に変換したり、伝票を発行・送付・保管したり、営業部のサポート業務などを行なっていました。
基本業務を先輩社員に教わりながらチェックをもらい、徐々に慣れていって、やがてポロポロとイレギュラー対応なども経験し始めた頃でした。
1度教わったことのあるイレギュラー対応で、マニュアルを見てもよくわからないことがありました。当時のわたしは、正直に先輩社員に「すみません、ここがどうしてもわからないのですが」と教えてもらうことができない人間でした。
何度もマニュアルを読んで、教わったときに書きとめた自分のメモを見て、なんとか自分で解決できないかとアレコレ考え込んでしまっていました。わたしは相変わらず「自分はやればできる子」だと勘違いしたままで、できる会社員とは、先輩に頼らず自分一人でやれる人のことだと思い込んでいたのです。
もちろん、このあと先輩社員から声をかけられ、「わからなかったらすぐに聞いてね」と注意されました。一人が1つのことに時間をかけすぎると全体の仕事を滞らせるということを理解しきれていなかったわたしは、その後も同じような注意を何度も受けました。
できないことはやりたくない
自分ができる人間だと思ってほしい当時のわたしは、できることばかりやって、できないこと・まだ不安のある業務はできるだけやらないようにしていました。だいぶ問題児ですね。
失敗したくない。失敗によってできないヤツだと思われたくない。なので失敗しやすい慣れない仕事は嫌だったのです。そんなことばかり考えて、やりたくない仕事をなるべくやらないように、覚えるべきことも覚えようとせず、嫌な仕事は避けていました。
当然、先輩社員に怒られます。覚えられなきゃいつまで経っても一人前になれないし、覚えるためには積極的に手をあげないと!むしろもう入社して半年以上経つのにまだ覚えてないの!?と語気を強めに言われたこともありました。
まったくその通りだと思います。
自分を「できないヤツだ」と認めたくなかった
自分のことを「できるヤツ」だと勘違いしていたわたしは、1番の新人で何も知らない・わからないのは当然のことであったのにも関わらず、わからないことをわからないと言うことも、素直に教えを乞うことも、できないことをできるようにしようとすることも、まったくできませんでした。
結果、ミスが多くて上司や先輩の言うことを聞かない困った社員となってしまい、毎日毎日怒られるようになりました。上司との面談で涙を流したこともあります。とても苦しい日々でした。
頑張っているはずなのに怒られるようになった当時のわたしは、いつも「自分はどうしてこんなにできないのだろう」と悩んでいました。その「どうして」には、副音声でこんな言葉が隠れていたことでしょう。
「わたしはできる子のはずなのに」
この期に及んで、まだ自分が「何もできない新入社員」であることを認められていなかったのです。
自分の弱みを受け入れる難しさ
結局、わたしが自分のことを何もできない人間なんだと受け入れることができたのは、部署を異動してしばらく経った頃、入社して2年が経った頃のことでした。
何度失敗を経験しても「自分はやればできる」という思い込みを手放すことができず、周りに迷惑ばかりかけてしまったなと、今では当時のことをとても恥ずかしく思っています。
なぜもっと早くに気づくことができなかったのでしょうか。もっと早くに素直になれていたら、わたしは会社で苦しく感じることを少なくでき、今でもその会社に勤め続けていたかもしれません。
その疑問の答えの1つとして、わたしは、「自分の弱みを受け入れること=自分のことを否定すること」なのだと思っていたからなのではないかと考えています。
自分は仕事ができる人間なのだと思い込むことで自分を肯定し、自信や尊厳を維持しようとしていたのかもしれません。また逆に、自分の弱みを人に見せたり自分で認めたりすることは自分を否定することなのだと思っていたために、弱みを必死に隠そうとしたり決して認めないようにしていたのではないかと思います。
自分で自分を否定すること以上に、人から自分を否定されることが怖かったから、なかなか受け入れることができなかったのではないかな、と思います。
おわりに
自分は何もできない人間なのだと思うようになった会社員のわたし。
その後は自己否定の沼にずぶずぶとハマっていってしまい、完全に自信を失ってしまいました。自分以外の人間が全て自分にとっての敵に思えて、反抗的な態度を取ったり、自己正当化して持論を喚いたりするようになりました。
最終的には、自分のやりたいことを好きにやっていくために、会社を退職することにしたわけです。
今では会社を離れたこと自体に後悔はありませんが、当時の自分の振る舞いに対してはとても反省していますし、恥ずかしいなと思います。散々お世話になっておいて、文句ばかり言う人間だったのですから…今思い返すと、本当にとんでもなく失礼な奴だったなと思います。
でも、結果的には会社から離れたおかげで、当時の自分がいかにおかしかったのかに気づくことができましたし、より自分の振る舞いに気を付けようと身を引き締めることができるようになりました。
この恥ずかしい体験は自分への教訓として、同じことにならないようにしていきます。