捨てられないもの 社会学とは?を学んだ本たち

雑記

本棚に詰め込まれた本の中に、なかなか捨てられないものがあります。
そのなかのひとつが、大学時代に使っていた教科書や参考書たちです。

 

わたしは大学で社会学を専攻していました。当時、自分の成績で狙えそうな大学で、社会”学部”のある大学は少なかったように記憶しています。

”文学部社会学科”みたいな学科のある大学はいくつかありましたが、社会学部のある大学のほうが本格的に学べそうだと判断して受験しました。幸運にも指定校推薦枠を獲得し、過酷な受験競争からは一足先に抜け出した形となりました。

 

社会学って何を勉強するの?とたびたび質問されることがありました。今でも時折聞かれますが、上手く答えられたことは一度もありません。
それぐらい、大学時代のわたしは不真面目でした。

講義をサボることに慣れ、レポート提出はとりあえず出せばいいやと投げやりで、テストはノートの持込可の講義ばかりを選んでいました。勉強すること自体があまり好きではなく、もっと遊んでいたくて、もっと楽しいことをしていたい時期でした。
そしてとんでもない甘い考えですが、それでもわたしは勉強ができる部類だと思い込んでいました。

そんななかで、わたしは大学に通って何を得たのでしょうか。

 

 

社会学は、雑に説明するならば、「社会の実態を掴む」ための学問だと思っています。

社会はどんな姿をしていて、何で構成されていて、どう作られ、どんな性質を持っていて、どんなことを起こし、どんな影響を及ぼすのか。
それらをありとあらゆる側面・視点からみるような、そんな学問だと、わたしは捉えています。

世間一般的に、良いといわれているもの、悪いといわれているもの、常識だと捉えられているもの……それらを「本当に?」と疑い、”良い”面に隠された悪を指摘し、”悪い”面に侵された良さを見つけ、”常識”はごく一部でいわれているだけで、全てを内包しているわけではないと説くような、そんな学問です。

あくまで、劣等生だったわたしの認識なので、正解かどうかはわかりません。すみません。

 

でも、こうした 「あらゆる側面から物事を捉えようとする姿勢」 こそが、わたしが大学4年間で得たものなのです。

ゼミではあらゆる論文を徹底的に、批判的に読むよう訓練されましたし、自分の意見を述べては「じゃあこっちの側面から考えたらそれはどうなの?」というツッコミを受け続けました。
もしかしたら、これは別に社会学でなくても得ることができる知見なのかもしれません。

でも、わたしにとって4年かけて社会学を学んだ結果がこれなのです。

今では、「もっとちゃんと勉強しておけばよかった」と思うことが多くあります。
社会学という考え方が、誰かの、何かの役に立ったかもしれないと思うと、もっとちゃんと勉強して活かせるようにしておけばよかったな、なんて。

そんな後悔があって、わたしは未だ、テキストたちを捨てきれないのだなと、そう思います。

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